
脂肪注入豊胸のしこり外来にいらしたゲストをご紹介します。エコーにて、両胸に大きなしこりを確認しました。確認したしこりは、オイルシストと混合性。これらは、種類によって治療法が異なります。今回は、しこりの種類別の治療法を解説します。
目次
【脂肪注入豊胸のしこり外来】まずはエコーで確認
2年前、他院で脂肪注入豊胸を受けられたゲストはしこりを自覚するようになり、当院へ相談にいらっしゃいました。
下のエコー画像をご覧ください。右胸には8cmのしこり(混合性)、左胸には7cmのしこり(オイルシスト)を認めました。オイルシストとは、被膜(しこり周辺にできる自己組織の膜)が壊死した脂肪のオイルで満たされているしこりのことです。そのオイルシストと壊死した脂肪が被膜で覆われているものを、混合性のしこりと呼びます。
脂肪注入豊胸のしこり除去1:オイルシスト(左胸)の場合
左胸のしこりは穿刺(せんし)吸引で除去しました。石灰化を起こしておらず、しこりの内部が壊死した脂肪のオイルであれば、注射器や3mm程度の細い吸引管での除去が可能です。オイルを吸い取り、しこりを除去します。
吸引管の挿入口も目立たない場所に確保するため、傷ができることはありません
脂肪注入豊胸のしこり除去2:混合性(右胸)の場合
右胸のしこりは厚い被膜で覆われていたため、オイルシストのような吸引での除去が困難と判断しました。混合性しこりの場合、被膜の厚みや石灰化の度合いによって治療方法を決定する必要があります。
今回は被膜ごと摘出するため、切開除去を選択しました。切開と言っても傷がなるべく目立たないよう、乳輪に沿ってアプローチします。しこりが非常に大きかったため、中の液体(オイル)部分を吸引しながら除去を行いました。
脂肪注入豊胸のしこりに悩まれている方はご相談ください
THE CLINICは、しこりのリスクや治療の概念がなかった当時からエコーを導入し、しこりの予防啓発や治療に力を入れてきました。具体的にウェブサイトでの情報提供はもちろん、ドクターを対象とした技術セミナーでも、しこりを防ぐ技術をレクチャーしています。
結果、他院もしこりへの危機意識が以前より高まったのではないかと感じます。とは言え、まだしこりのリスクを考えずに脂肪注入を行うドクターが存在するのも事実です。もし他院の脂肪注入豊胸でしこりができたという方がおりましたら、ぜひ当院にご相談ください。しこりの状態を確認し、適切な治療方法を提案します。
まとめ
- オイルシストのしこりなら、3mm程度の細い吸引管での除去が可能
- 混合性のしこりを被膜ごと除去する場合は、切開が必要となる
- THE CLINIC は、他院ドクターに脂肪注入豊胸のしこりを防ぐ技術をレクチャーしている