
先日、豊胸のシリコンバッグを除去しにいらっしゃった患者様から「本当に脇の3〜4㎝からこんな大きなバッグが取り出せるんですか?」「指が届かないでしょう?」「癒着している場合はどうするんですか?」などの質問を受けました。よくよく話を聞いてみると、術前に様々なサイトを見たことで、手術でできる傷跡が心配になってしまったんだそうです。
今回はこの患者様のように、これからシリコンバッグを除去される方に向けて、少し情報を提供したいと思います。
胸に傷跡なし。豊胸のシリコンバッグを脇から除去した症例
シリコンバッグの除去を希望される方の多くが、胸の下に残る傷跡のことを心配されています。しかし、ほとんどのケースでは、乳房下に傷を付けずに、脇からシリコンバッグを除去することが可能です。
まずは実際の症例をご覧いただきましょう。
260㏄もの大きなシリコンバッグを脇から取り出しました。
胸の下には、小さな傷跡もありません。
シリコンバッグを脇から除去できないケースは「石灰化」と「炎症」
女性なら誰もが「胸に傷跡を残したくない」と思うはずです。だからシリコンバッグの除去は、可能な限り脇から行うのが望ましいと考えています。
ただし、脇からではシリコンバッグを除去できない例外もあります。石灰化や炎症が強く起きている場合です。
豊胸のシリコンバッグを除去する際、通常であれば、被膜(※)を残してシリコンバッグだけを取り出します。しかし、石灰化や炎症の程度がひどい場合に限って、直接バスト内を確認しながら、被膜ごと取り出すのです。この場合、乳房下や乳輪の周りからシリコンバッグを除去することになります。
このような対処が必要になるのはシリコンバッグの挿入から10年近く経過している場合。ごく稀なケースです。
※被膜:豊胸でシリコンバッグを挿入したときに、体の異物反応でできるコラーゲンの膜のこと。除去すると出血量が増えるため、取り出さないケースが多い。
脇からバッグ除去できないと言われた方も、ぜひ一度ご相談を!
例外をご紹介しましたが、ほとんどのケースでは脇からのシリコンバッグ除去が可能です。
当院ではこれまで、乳房の下に傷をつくってシリコンバッグを除去された患者様を多く診察してきました。そのたびに思うのは、「手術を受ける前に正しい情報を届けられれば良かったのに……」ということです。
インターネット上に有象無象の情報が散乱している昨今、間違った情報も出回っています。「下調べをしていて、何がなんだか分からなくなった」と相談にいらっしゃる患者様も多いです。
悩んだときのおすすめは
①実際にカウンセリングに行ってみること
②担当ドクターと直に話して疑問を全てぶつけてみること
③費用だけでは決めないこと
です。
代わりがきかないお体のことですから、少し慎重になっていただければと思います。
■シリコンバッグ挿入後、2〜3年なのに胸の下からの除去を提案された
■ドクターではなくカウンセラーから胸の下からのシリコンバッグ除去を提案された
こんなときは是非、THE CLINIC までご相談ください。
まとめ
- 豊胸のシリコンバッグは乳房下を傷つけなくても脇から除去できる
- ただし、シリコンバッグ挿入から時間が経っていて石灰化がひどい場合には例外もある
- もし乳房下からのシリコンバッグ除去を勧められたらTHE CLINIC に相談を