
本日ご紹介するのは、生理食塩水バッグの除去相談にいらしたモニターゲスト。これまでに多くの豊胸バッグを取り出してきた私ですが、あのような色をしたものは初めて見ました。ここでは、生理食塩水バッグの除去によって発覚した、バッグの変色とその原因を解説します。
目次
【生理食塩水バッグの除去】触感に違和感を覚えて来院
14年前に生理食塩水バッグを挿入された女性です。一見何の問題もないバストに見えますが、「胸を触るとボコボコしている気がする」と、悩まれている様子でした。
術前のエコー検査では、カプセル拘縮を確認。このカプセル拘縮によって生理食塩水バッグが歪んでいました。
なぜ!? 除去した生理食塩水バッグは黒く変色していた
ゲストの胸から取り出した生理食塩水バッグは、どす黒く変色していました。これまで多くのバッグを除去してきた私も初めて見るケースです。
別のゲストから除去した生理食塩水バッグの写真(右)をご覧ください。このように、通常の生理食塩水バッグは無色透明なはず。14年の月日が生理食塩水バッグを腐敗させたのか? カビが生じて変色したのか? 真相は定かではありませんが、劣化で変質したことは間違いないでしょう。写真を見比べると、色の違いは一目瞭然です。
豊胸インプラントの劣化時に見られる、変色以外のトラブル
生理食塩水バッグをはじめとする豊胸インプラントに、劣化は付き物です。トラブルは、変色だけではありません。よくあるのが、豊胸インプラントが拒絶反応を起こしてバストがボール状に変形したり、痛みを伴う「カプセル拘縮」や被膜の周りにカルシウムの結晶が沈着する「石灰化」、「破損」といったトラブルです。今回除去した生理食塩水バッグは破損していませんでしたが、仮に破損していたとすれば中身が漏れ出して炎症を起こしていた可能性も十分に考えれます。
生理食塩水バッグは、経年によって変色することがある
生理食塩水バッグをはじめとする「豊胸バッグ」を除去したら変色していたというケースは、少なくありません。ただ、ほとんどは破損によって中身が漏れ出し、体液と混ざった場合です。今回は生理食塩水バッグが破損していないのにも関わらず、変色していました。変色するということは、破損へのカウントダウンがスタートしていたのかもしれません。
生理食塩水バッグを挿入されている方は、大きなトラブルが起きていないかを確認するための、定期的なチェックをお勧めします。また、不具合が見られた場合は、早めの生理食塩水バッグ取り出しを検討してみてはいかがでしょうか。THE CLINIC では、生理食塩水バッグをはじめとする豊胸インプラントを受けた方のエコー検査を行っています。豊胸インプラントによる手術後のバストに不安がある方は、ぜひ当院へお越しください。
まとめ
- 14年前に挿入した生理食塩水バッグは、真っ黒に変色していた
- 変色の原因として考えられるのは、生理食塩水バッグの経年劣化
- 生理食塩水バッグの長期挿入はトラブルの元になるので、早めの除去が大切